mustとhave toの意味の違いや使い分けの仕方を徹底解説

mustとhave toに意味の違いはあるのか?使い分ける必要があるのか?イギリス英語とアメリカ英語では違いがあるのか?ネイティブ的にはどうなのか?こういった素朴な疑問に答えて行こうと思います。

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mustとhave toの違い

先ず、mustとhave toの教科書的な違いは以下の通りです。

I have to quit smoking. (外的要因で)煙草を止める必要がある。
I must quit smoking. (内的要因で)煙草を止める必要がある。

教科書的には、have toが医者や他人から煙草を止めるように言われ、mustは、自分の意思で自発的に煙草を止める(止めたい)時に使うとなっています。have toの嫌々仕方無しに止めるのに対して、mustの方は進んで止めるというニュアンスになります。例えば、友人主催のパーティーの途中で家に帰りたいシチュエーションを想像してみて下さい。このルールをそのシチュエーションに適用すると以下のようになります。

I have to go now. (自分の意思ではなく外的要因で)帰らなければならない。
I must go now. (自分の意思で帰りたいから)帰らなければならない。

I have to go.と言った場合、何か喫緊の用で席を外さなければならないという意味になる一方で、I must goと言った場合、帰りたいから帰るみたいに聞こえるので、非常にrudeな言い方になります。このケースでは、口語的には、I’ve got to go. (I gotta go.)が一般的ですが、非常にインフォーマルな言い方なので、友達や兄弟姉妹などの親しい間柄でのみ使うべきでしょう。最後に、I must go. と言うよりも、I must be going. と言った方が相手により穏やかに聞こえるようです。ここでおさらいをしておきます。

have toは法律や規則、医者や教師等からの外的要因による義務 (objective obligation)で、mustは、話者の意思による義務(subjective obligation)ということになります。さらに、have toが口語的、mustが文語的という意味合いがあるので、文章で表す時はmustを使うのが良いでしょう。
ただし、これらのルールは、主に、主語が1人称か3人称の時に適用される傾向が強く、主語が2人称の時は、mustはhave toよりも強い(命令に近い)義務を表すので、口語においては、対等な相手にはhave toを使うことが、特にアメリカ英語では強く推奨されています。ただ、対等な相手に医者に行くように強く勧める時などは、話し手の主観を表わすmustを使います。
You must see a doctor immediately. すぐに医者に診てもらわなきゃだめだ
すぐに医者に診てもらう必要があるという言い回しはneed toが多用されています。
You need to see a doctor immediately.
ニュースサイトのみに絞ってググってみると、mustの10件に対して、need toは30件もあります。ちなみに、have toはゼロです。以下にimmediatelyを除いた検索結果を掲載しておきます。
You need to see a doctor. 119 件
You must see a doctor. 70 件
You have to see a doctor. 18 件
この理由は、mustが強すぎることとhave toが他人事のように聞こえるということで、need toがベストな選択ということなのだろうと思われます。口語の場合、2人称でmustを使う時は、例え主観であったとしても、使う相手によってはhave to、もしくは、need toを使った方が良いケースが多々あるようです。
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mustとhave toに意味上の違いはあるのか?

mustとhave toは、強制・義務を表す場合、意味は同じと思って良いのですが、mustが推量を表す場合、意味が異なるので注意が必要です。このサイトの以下のようなケースがそれに当たります。

I must be a fool to have come home.
家に戻ってくるなんて、私はばかに違いない。
I would have to be a fool to go home.
ばかでもなければ家には戻らないだろう。

have to be a foolは、ばかにちがいないとは訳せないので、ばかでなければならないと訳す必要があり、従って、家に帰るためにはばかでなければならないと訳してから、日本語らしく、ばかでもなければ家には帰らないと訳し直します。

否定形の場合も、must notとdon’t have toで意味が違ってきます。

You don’t have to do it. それをやる必要はない。
You mustn’t do it. それをやってはいけない。
don’t have toはneedn’t (need not)で書き換え可能です。must notが禁止を表わす一方で、don’t have toは、禁止ではなく義務の免除を表わします。notの代わりにonlyを使うと、You only have to ~ = 〜しさえすれば良いという意味になり、notの時のように義務が免除されるのではなく、義務がより限定的になります。
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ネイティブ的にはどうなのか?

このサイトによると、ネイティブ的には、mustとhave toに用法上の違いが無いという意見が圧倒的に多いようです。アメリカ英語では、会話ではhave toを使うのが好まれるようですが、mustを使うか、have toを使うかは、あくまでも個人的な好みでしかないというのが、アメリカ英語、イギリス英語共に最も多い意見となっています。しかしながら、そういったルールがあることを認識しているネイティブがイギリス英語に多く存在していることから、必ずしも、ネイティブには通用しないノンネイティブ特有のルールというわけでもないようです。このBBCのサイトでもmustとhave toの違いについて説明されているので、両者の違いはイギリス英語的と言えるのかもしれません。ネイティブ的にmustとhave toの使い分けが必要なのは、過去や未来を表わす時に、mustが過去形を持たない(must自体過去形なのですが)ことから、時制の変化に対応するためにhave toを使う必要があると言っています。

I had to do it. それをやらなければならなかった。
I will have to do it. それをやらなければならないだろう。
参考サイト
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