mustとhave toに意味の違いはあるのか?使い分ける必要があるのか?イギリス英語とアメリカ英語では違いがあるのか?ネイティブ的にはどうなのか?こういった素朴な疑問に答えて行こうと思います。
mustとhave toの違い
先ず、mustとhave toの教科書的な違いは以下の通りです。
教科書的には、have toが医者や他人から煙草を止めるように言われ、mustは、自分の意思で自発的に煙草を止める(止めたい)時に使うとなっています。have toの嫌々仕方無しに止めるのに対して、mustの方は進んで止めるというニュアンスになります。例えば、友人主催のパーティーの途中で家に帰りたいシチュエーションを想像してみて下さい。このルールをそのシチュエーションに適用すると以下のようになります。
I have to go.と言った場合、何か喫緊の用で席を外さなければならないという意味になる一方で、I must goと言った場合、帰りたいから帰るみたいに聞こえるので、非常にrudeな言い方になります。このケースでは、口語的には、I’ve got to go. (I gotta go.)が一般的ですが、非常にインフォーマルな言い方なので、友達や兄弟姉妹などの親しい間柄でのみ使うべきでしょう。最後に、I must go. と言うよりも、I must be going. と言った方が相手により穏やかに聞こえるようです。ここでおさらいをしておきます。
You must see a doctor. 70 件
You have to see a doctor. 18 件
mustとhave toに意味上の違いはあるのか?
mustとhave toは、強制・義務を表す場合、意味は同じと思って良いのですが、mustが推量を表す場合、意味が異なるので注意が必要です。このサイトの以下のようなケースがそれに当たります。
家に戻ってくるなんて、私はばかに違いない。
ばかでもなければ家には戻らないだろう。
have to be a foolは、ばかにちがいないとは訳せないので、ばかでなければならないと訳す必要があり、従って、家に帰るためにはばかでなければならないと訳してから、日本語らしく、ばかでもなければ家には帰らないと訳し直します。
否定形の場合も、must notとdon’t have toで意味が違ってきます。
ネイティブ的にはどうなのか?
このサイトによると、ネイティブ的には、mustとhave toに用法上の違いが無いという意見が圧倒的に多いようです。アメリカ英語では、会話ではhave toを使うのが好まれるようですが、mustを使うか、have toを使うかは、あくまでも個人的な好みでしかないというのが、アメリカ英語、イギリス英語共に最も多い意見となっています。しかしながら、そういったルールがあることを認識しているネイティブがイギリス英語に多く存在していることから、必ずしも、ネイティブには通用しないノンネイティブ特有のルールというわけでもないようです。このBBCのサイトでもmustとhave toの違いについて説明されているので、両者の違いはイギリス英語的と言えるのかもしれません。ネイティブ的にmustとhave toの使い分けが必要なのは、過去や未来を表わす時に、mustが過去形を持たない(must自体過去形なのですが)ことから、時制の変化に対応するためにhave toを使う必要があると言っています。
I will have to do it. それをやらなければならないだろう。
コメント