病気にかかりにくい植物の育て方について知識を学ぶ

11月第三日曜日、筆者は明治薬科大学の市民大学講座『自然と健康を考える』を受講しに行きました。市民大学大学講座は無料であり、毎年4月〜12月まで(7月〜9月は休み)開催されています。1回毎に3つあり、それぞれ専門の先生が講義されています。そのうちの1つ『植物の病害虫について』今月学んだことを個人視点にてまとめてみました。

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病気にかかりにくい植物の育て方

『植物の病害虫について』八重樫義平先生の講座は1年にかけて毎回受講してきております。筆者は家庭菜園やガーデニングはあまりしたことがありませんが、自然散策や植物・ハーブを観賞するのはとても好きですし、農産物の安全にも深く関心があります。さて、今月は『病気にかかりにくい植物の育て方』についてですが、人間と同じように植物も病気になることを学びました。

隔年結実(かくねんけつじつ)

柿などの果樹がある年、非常によく果実を結ぶと、そのために樹が弱って翌年はほとんど果実を結ばず、生年(なりどし)と、ふなり年を繰り返す。

つまり、1年おきに豊作不作を繰り返す現象ということです。これについて、個人になりに思い当たることがありました。子供の頃、母親の故郷(福島県)の本家の庭にあったイチジクに果実がなった年がありました。しかし、翌年同じ時期にその果実はなっていなかった記憶があります。これも隔年結実に該当するでしょう。

発生予察の対象とされている麦類の病害の種類

さび病類、うどんこ病、赤かび病、雪腐病類、黒穂病類、黒節病、雲形病、縞萎縮病、班葉病、株腐病、立枯病など。
発生予察:病害等の発生の程度を知り、対策を講じ、過度な被害を受けないようにする。

特に、赤かび病は人体に有害であり、家畜の餌でさえ出してはいけない毒性があります。また、カビといえば、お餅の青カビの場合はこれを切り除けば問題はないですが、黄色や赤色のカビがあった場合はかなり危険なので絶対処分べきです。

植物の病気について

植物の病気にも種類があり、原因と対策についても学びました。

病気の意義

植物のいろいろな生理機能の一つ、または複数が異常になったとき、植物は病気であるという。
伝染性:病原体による感染(糸状菌、細菌、ファイトプラズマ(Phytoplasma)、ウィルス、ウイロイドなど)
 非伝染性:高低温障害、湿害、乾害、大気汚染物質、Ca・Mg・K・Fe・Mn・Zn欠乏症
植物が病気であると言うときは、一般的に伝染性の病気を指す場合が多い。

植物病理学

目的:作物生産性の向上のための病害防除技術の開発

病気による被害

アイルランドの悲劇:ばれいしょ疫病(phytophthora infestans)の猛威

個人で詳しく調べると、19世紀のアイルランドでジャガイモ飢饉(英:Potato Famineアイルランド語: An Gorta Mór あるいは An Drochshaol)が4年間にわたって起こり、アイルランド人口の少なくとも20%が飢餓・病気によって命を失う者、10%から20%が国外へ脱出する者もいました。また婚姻や出産が激減し、最終的にはアイルランド島の総人口が最盛期の半分にまで落ち込んでいったようです。さらにアイルランド語話者の激減を始め、民族文化も壊滅的な打撃を受けたのでした。

この悲劇をかつて鎖国だった日本の江戸時代と重なるのでないかと思います。当時は移民はあり得ないが、江戸四大飢饉(寛永の大飢饉・享保の大飢饉・天明の大飢饉・天保の大飢饉)の歴史も忘れてはならないでしょう。日本は稲作ですが、現在では科学の進歩や農産物の研究開発などもあり、イネの病気や原因を知ることが出来るようになっています。

病気の発生と防除

近年、元々日本人の主食であった米の消費量が減少している中、米ブランドが次々登場しています。新しい米が開発される理由は病気からです。イネの病気は以下の3つの要因からとなります。

主因 植物を侵す病原体
誘因 病気の発生に好適な環境条件
素因 病気にかかる体質を持った植物

<例>イネの代表的な病気「いもち病」
主因 いもち病菌
誘因 低温多湿
素因 感受性イネ(特にコシヒカリはデリケートで病気にかかりやすい)

いもち病(稲熱病)Pyricularia orizae(Magnaporthe grisea)
古くから稲に発生する定型的な病気であり、最も恐れられてきた。いもち病が広範囲に発生した圃場では十分な登熟が期待できなくなり、大幅な減収と共に食味の低下を招く。

欧米では、「イネの胴枯病(Blast of rice)」、「イネの疫病(Rice blight)」などと呼ばれるそうです。さて、「ひとめぼれ」という品種は何故出来たのかといいますと、一つはササニシキより病気や冷害に強くするため、二つはコシヒカリに対し美味しい米の販売戦略のやり直しによるものです。

さて、いもち病の防除方法は以下の通りになるようです。

(ⅰ)伝染環
ⅰ)越冬期、ⅱ)育苗期、ⅲ)分けつ期から伸長期、ⅳ)出穂、登熟期
(ⅱ)発生要因
ⅰ)菌密度、ⅱ)気象、ⅲ)品種とレース、ⅳ)肥料、ⅴ)栽培様式
(ⅲ)流行機構
(ⅳ)防除法
ⅰ)被害、ⅱ)伝染源の除去、ⅲ)品種選定、ⅳ)栽培法、ⅴ)薬剤防除

病気にかかりにくい植物の育て方

野菜や植物によってはかかりやすい病気が異なります。今回は人気高い「花の女王」バラを例に挙げて学びました。特に、バラは病気にかかりやすく、害虫も寄りやすいデリケートな花なので、美しく咲かせるには根気強く手入れが必要とするようです。

バラ(Rose)が一番かかりやすい病害・防除

うどんこ病:
素因 うどんこ病抵抗性品種のバラ
主因 うどんこ病菌を取り除く
誘因 窒素肥料を過多にしない、日光をよく当てる、風通しを良くするなど。

バラの主な病害

うどんこ病…葉にうどん粉のような白カビ。
黒点病(黒星病)…葉、果実、枝に発生する黒い小さい斑点。
根頭がんしゅ病…植物にできる腫瘍の一種。
さび病…野菜、草花、果樹、庭木など多くの植物の葉、茎、果実などに発生する小さな黄白色の斑点。
ベト病…雨だれの部分で発生。
灰色かび病灰色かび病は野菜、草花、果樹など多くの植物の、蕾、花、果実、葉、茎など地上部の大部分に発生。しかし、カビ菌を生かしたワインの帝王である「貴腐ワイン」がある。
枝枯れ病…雨天の時期にかかりやすい。
斑点病…切花栽培や観葉植物の葉に褐色や黒色の斑点が現れる病気。

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『植物の病害虫について』講座を受けた感想

最近、気候変動が激しく、特に野菜・果物などの価格が上がっています。天候や病害虫などに戦う生産者の御苦労や忍耐をこの講座の学びによって痛感いたします。生産者だけではなく、家庭菜園や趣味でガーデニングされる方にとっても、そうでない筆者にとっても植物の病害虫、その防除を知ることは良かったと思います。

以上、ブログを見てくださりありがとうございました。

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