so long as (as long as)は、〜さえすれば、〜である限り、〜であるならば、〜する間ずっと、といったような意味になりますが、このフレーズの否定形である、not so long asはどのような意味になるのか、それとat stakeの意味についても考察してみたいと思います。ちなみに、not so long asには、Your hair is not so long as mine.(君の髪は僕ほど長くはない。)といったような意味もあります。
at stakeの意味と使い方
at stakeの意味は、危険にさらされて, 〜の瀬戸際で、危機に瀕して、〜の争点になっている、といったようなものになります。このニュース記事”Women with a #MeToo complaint are being silenced for the sake of politics“の以下の一文で使われているat stakeの意味を考察して行きます。
Not so long as women are still expected to accept that there are bigger things at stake than them feeling safe and comfortable at work, or that what happens to them matters but it still doesn’t matter quite so much as winning.
there are bigger things at stakeを、上述の定義に当てはめると、より大きなことが危険にされされている (危機に瀕している)となりますが、これだとあまり要領を得ないので、もう少し訳に工夫を凝らす必要がありそうです。調べてみると、at stakeにはin danger of being lost (失う危険性がある)という意味もあるようなので、より大きなものを失う危険があると訳せます。これを踏まえて、women are still expected to accept that there are bigger things at stake than them feeling safe and comfortable at workは以下のように訳せます。
記事の内容に則して意訳すると以下のように訳せます。
この意訳の場合、there are bigger things at stake than 〜は、〜より大きなものを失う危険性があるを、おり大きな大義と訳しています。
not so long asの意味と使い方
上記の英文のnot so long asの意味を考察してみます。not抜きでこの文を訳すと以下のようになります。
問題のNotは、この文の前の文である以下の文を受けて、
So when people ask whether #MeToo might have gone too far, or whether it’s men who are now professionally vulnerable, the obvious answer is that it hasn’t and it isn’t.
MeToo運動が行き過ぎた、または、男性が職場で被害者になりやすいことは、過去にもなかったし現在もないということを言っています。この節全体の意味としては、女性が、雇用主や企業の利益のために職場でパワハラ・セクハラ・モラハラに耐えるのは当たり前であるという風潮が続く限り、MeToo運動が行き過ぎることも、多くの男性が職場でMeToo運動の被害者になることも有り得ないというようなものになります。以下の例文もそのような訳し方になります。
No, it’s not. (いいえ、日本は文明国ではありません)という答えに対して、Not so long as ~, もしくは、Not as long as ~という答えは、〜する間は、〜する限りはそうではないという答えなので、完全にそうではないと否定しているわけではなく、例えば、日本が外国人労働者に対する待遇を改善しさえすれば、日本は文明国ではない理由がなくなるので、必然的に答えはYesに変わります。
今が最悪と言える間は最悪ではない
「今が最悪の状態」と言える間は、まだ最悪の状態ではない。
この格言は、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の1つKing Lear(リア王)からの引用です。この訳は、not so long as 〜の、〜する間はそうではない、の訳に当てはまります。最悪と言えるうちは最悪でないは以下のように言い換えられます。
間違ってThe worst is not yet to come.としないように注意が必要です。
コメント