先週日曜日、明治薬科大学の市民講座『自然と健康を考える』第5回目を受講しに行きました。前回の記事は1限目講演「植物の病害虫について-八重樫先生」で学んだことでした。今回は続いて2限目講演「野生きのこの同定と調理-峰須賀先生」についてです。
野生きのこの同定
東京郊外(多摩地区)は畑や雑木林などの自然が残り、さらに奥へ行くと東京とは思えないほどの景色が残っています。都立武蔵野公園など自然公園では野生キノコを見つけることも出来ます。さて、今回は峰須賀先生講演の野生キノコについて学んだメモや感想を記載させていただきます。
きのこ生態
キノコは菌糸によって出来ますが、腐生菌と菌根菌の2つの分類からなるようです。
腐生菌(ふせいきん)
植物遺体の高分子有機物(セルロース、リグニンなど)を無機物に分解する。
1.落ち葉、落ち枝が豊富な環境
2.遷移が進んでいる
3.大径木が多い
菌根菌と腐生菌が競合した場合、腐生菌が優先となる。
腐生菌からなるキノコ類
腐生菌につくられているキノコの多くは寄生的(寄り添って生きる)サルノコシカケ科が多ようです。
- ザイモクタケ…サルノコシカケ科。ただし、その木に寄生しているザイモクタケを見かけたら雨風に弱くて倒れやすいので除去した方が良い。
- フミヅキタケ
- ツバキキンカクチャワンタケ
- キツネノヤリタケ
- ハイイロシメジ…森の中に丸いキノコが白い妖精のように広がっていることから別名FairyRingともいう。
他に、フミヅキタケやキクラゲ、シイタケ、ナメコなども腐生菌からです。つまり、スーパーなどで見かける栽培キノコは、ほとんどがこの仲間といえるのではないでしょうか?
菌根菌(きんこんきん)
マツタケやトリフなど養殖の難しい野生きのこの多くは菌根菌から出来ているようです。
1.傾斜面などで、落ち葉などが溜まりにくく、土壌が富栄養化しすぎていない。
2.共生できる樹種が多くある。(アカマツ、カラマツ、モミ、コナラ etc)
3.下草がきのこの高さを超えていない。
菌根菌からなるきのこ類
- イグチ科…<例>ヨーロッパではポルチーニ(キノコの王様)
- ベニタケ科…<例>チチタケ、アイタケ
- テングタケ科…背の高いきのこが特徴。又、毒の多いキノコもある。
- アンズタケ科…<例>ヨーロッパではポピュラーなアンズダケ、オオムラサキアンズタケ(カラマツ)
- ホウキタケ科…<例>ユノダケ、ベニナギナタタケ
- ホンシメジ…腐生菌とは異なり、若い木で助け合って生きている。
野生きのこの調理
峰須賀先生はイタリアへ行かれ、現地の料理学校にてキノコの調理について取材してきたそうです。イタリアのキノコでオーヴォリ(Ovoli)茸があり、日本ではタマゴタケと呼ばれています。それが何とポルチーニ茸より希少価値が高く「キノコの皇帝」とも言われるそうです。
先生ご自身、このタマゴタケをパスタ料理に初めてチャレンジされたのですが、現地で食べた時ときのこの鮮やかさがないとこのことで、後で確認したところ生のままで食べるものだったようです。
タマゴタケはとても美味しいらしいですが、日本ではなかなか食べれる機会は我々には無さそうです。
続いてポルチーニ茸は、「キノコの王様」と呼ばれており、リゾットには最高です。玉ねぎ・にんにくなどと一緒に細かくみじん切りしてバターやオリーブで炒め、お米、水、塩、ブイヨンを入れてアルデンテになるまで煮たものです。
しかし、日本ではポルチーニ茸は入手しにくいので、マッシュルームを代用しても美味しいとことです。今度、筆者もチャレンジしてみたいと思います。
筆者が講座の後に調べてみた三大キノコの豆知識
筆者も今まで知らなかったのですが、キノコにも各三大キノコが存在するようです。
さらに、以下は毒性の強い御三家を知っておく必要もあります。
あとがき
3講座の中で峰須賀先生の講座が一番好きです。今回はキノコの調理についてでしたが、次回も続きがあるようなので、とても楽しみにしておりますが、次回で本年度の講座が全て最終日となりますのであっという間になりそうです。
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