明治薬科大学 薬用植物園(12月頃)の草花・ハーブを楽しむ

筆者の住まいから徒歩10分くらいの場所に明治薬科大学があります。本年度(2019年)の市民大学講座を月第三日曜日に参加させて頂きましたが、あっという間に今月で終了となりました。最終回の昼休みは開放中の薬用植物園・ハーブガーデンへじっくり散策。既に12月ですが、今年は暖冬で紅葉もゆっくり、園内で一部花も咲いていました。

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12月の薬用植物園・ハーブガーデン

草や花の一番の季節といえば春夏のイメージが強いと思いますが、秋冬も果実、紅葉、木の実、落ち葉など、すべてに美しい四季があります。幸いなことに筆者たちが住む周辺は、柳瀬川・空堀川、清瀬の森があり、そこに明治薬科大学のキャンバスがあって、さらに薬用植物園・ハーブガーデンも設置されている恵まれた自然環境にあると思います。さて、本題に入りますが、12月で観察した植物を一部自撮りの写真でご紹介しましょう。

薬用植物園

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウ(伊吹麝香草、学名:Thymus quinquecostatus )はシソ科の一種。別名で「イワジャコウソウ」、「ナンマンジャコウソウ」とも呼びます。伊吹麝香草の名の通り、ジャコウのような香りがするようです。日本では、北海道、本州、九州に分布し、海岸から高山帯までの日当たりの良い岩地に生育します。アジアでは、朝鮮半島、中国、ヒマラヤに分布しています。

メグスリノキ

真っ赤に紅葉しているメグスリノキ(目薬の木、目薬木、学名:Acer maximowiczianum)はムクロジ科カエデ属の落葉高木です。別名は「長者の木」や「千里眼の木」、「ミツバナ」、「ミツバハナ」とも呼ばれるそうです。メグスリノキのと呼ばれるほど、眼や肝臓などの樹皮や葉の煎じるを用いた民間薬として伝えられています。

パラペーニョ

ハラペーニョ(西:chile Jalapeño)はまさにスペイン語ですが、トウガラシ(C. annuum)の品種のひとつであり、メキシコを代表する青唐辛子です。主にメキシコ料理でハラペーニョをタマネギやニンジンと一緒にピクルスにした「ハラペーニョ・エン・エスカベーチェ」(Jalapeño en escabeche)などがあるようです。それから、タバスコには赤と緑がありますが、緑のソースにはこのハラペーニョで作られているのです。

シソ科

シソ科にはラベンダーやローズマリー、レモンバーム、ミントなどの種類が多いのですが、例えばミント中でも以下のように種類があります。

まず、クールミントといいますと、ロッテで発売のクールミントガム、歯磨き粉をイメージするかと思います。クールミントは日本名で和ハッカを指します。まさにメントールのごとく清涼感が強いので食用というよりハーブティやミントシロップ、瞬間冷却などに最適です。

マルバハッカ(学名 Mentha suaveolens、英語名 apple mint, pineapple mint, woolly mint, round-leafed mint)は、南および西ヨーロッパ原産です。芳香はとてもフルーティなハッカなので、別名「アップルミント」と呼ぶのが一般的です。主にハーブティやお菓子、芳香剤など幅広く使われています。

オランダハッカ(Mentha spicata)はヨーロッパ原産であり、別名「スペアミント」、「ミドリハッカ」、和名で「和蘭陀薄荷」です。クールミントやペパーミントと比べてとても穏やかな香りなので、アイスやお菓子によく添えられています。ちなみに、聖書に登場するハッカとは植物はスペアミントの一種ともされるナガバハッカ(Mentha longifolia)とされているようです。

オーデコロンミント(Mentha × piperita Ctrata)は、別名で「ベルガモットミント」、「オレンジミント」、「レモンミント」と呼び、甘い香りがします。食用やハーブティより、主に入浴剤やポプリなどに使われています。

なじみある品種の一つでペパーミント(英名:Peppermint、学名:Mentha x piperita L.)は、スペアミントとウォーターミントの交雑種であるといわれています。原産地はヨーロッパであることから和名は「コショウハッカ」、「セイヨウハッカ」と呼びます。ペパーミントには鎮静効果があり、精神的な緊張を和らげ、イライラをしずめ、心身をリラックスさせてくれたり、偏頭痛やそれに伴う胃のむかつきにも効果があります。主に、ハーブティやお菓子、アロマオイル、ポプリなど幅広く使われています。

アシタバ

アシタバ(明日葉、Angelica keiskei)はセリ科シシウド属の植物で、伊豆諸島・伊豆半島などに自生しています。アシタバは「今日、葉を摘んでも明日には芽が出る」と形容されるほど生命力が旺盛であることに由来しています。葉と茎は食用にされ、主に若葉を食べます。香りと味に独特のクセがあるため、天ぷらやバター炒め、おひたし、マヨネーズ和え等にピッタリです。又、青汁などの健康食品にもあるほど、β-カロテンやビタミン、カリウム、食物繊維など栄養素が豊富です。

キク科

キク科にも多くの種類があります。キャンバス内の薬用植物園で見つけた、キク科3種を以下の写真でご紹介します。

 

ハーブガーデン

薬用植物園よりキャンバス正門へ向けてさらに奥へ向かうと、ハーブガーデンがあります。

シソ科

ハーブガーデンでも再びシソ科の仲間が多く植えてあります。

オレガノ(oregano、Origanum vulgare)はイタリアやスペインなど地中海料理で多く使われるハーブの一つです。別名「ワイルド・マジョラム」、和名「ハナハッカ」と呼ばれ、消化器系や呼吸器系の調子を整えたり、抗菌、抗炎症などの効能もあります。さらに、ストレスによる疲労、頭痛や生理痛などの緩和にも効果があります。

メキシカンブッシュセージ(英:Mexican Bush Sage) の別名は「アメジストセージ」と呼ばれ、花びらは赤紫色、淡いピンク色、白色が咲きます。日本には明治時代後期に渡来したシソ科のハーブ一種ですが、用途として食用には適さず、ポプリやドライフワーなどに使われるようです。

パイナップル・セージ(Salvia elegans)はシソ科のサルビア属です。特徴は日が短い秋に開花するです。撮影した日は12月中旬でしたが、まだ真っ赤な花が咲いているところでした。名前の通り、パイナップルのような甘い香りがします。

ショクヨウダイオウ・ルバーブ

ルバーブ(英: Rhubarb)の和名が「ショクヨウダイオウ(食用大黄)」と呼ばれます。ルバーブは元々欧米の間ではポピュラーな食材であります。主に食用にする部分が葉柄です。まるで「フキ」と間違いやすいですが、毒性のある葉の方は食しません。筆者の記憶ですが、日本で初めてルバーブが伝えられたのは、長野県・軽井沢に滞在していた外国人宣教師により受け継がれたことです。その後、軽井沢などではルバーブの栽培やジャム作りが誕生した経緯があります。ルバーブジャムの味ですが、まるでアンズのような甘酸っぱさがあります。

オリーブの木

日本ではすっかりお馴染みのオリーブ(英: olive 、学名: Olea europaea)は、モクセイ科に該当します。果実は油分を多く含み、主要な食用油の一つであるオリーブ・オイルの原料となります。オリーブの歴史はかなり古く、聖書の記録から原産地が地中海沿岸付近であることが明らかです。

旧約聖書(創世記)は『ノアの箱舟』で登場しています。ノアの箱舟のくだりで「神が起こした大洪水のあと、陸地を探すためにノアの放った鳩が、オリーブの枝をくわえて帰ってきたとう箇所があります。

新約聖書(マタイの福音書)はイエス・キリストの『ゲッセマネの祈り』で登場しています。イエス・キリストは普段からオリーブ山のふもとのゲッセマネ(「オリーブの油搾り」)の園で祈ることを好み、最後の晩餐の後もゲッセマネの園で最後の祈り(ゲツセマネの祈り)を捧げた箇所があります。

イロハモミジ

イロハモミジ(いろは紅葉、学名 Acer palmatum)は、ムクロジ科カエデ属です。別名でイロハカエデ(いろは楓)などとも呼ばれます。日本の紅葉では代表種であり、真っ赤で一番綺麗な葉です。

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あとがき

2019年も残り少なくなりました。一年通して月1第三日曜日の明治薬科大学市民講座を受講しつつ、薬用植物園・ハーブガーデンの四季も味わえるということは大きな特典でもありました。実は、来年度も来春4月からもう一年受講を決めています。次回は本年度では学んでいない別の講座を受けたいこと、またもう一度、薬用植物園・ハーブガーデンの四季に触れたいことです。

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