夏休みに友達二人と信州10泊旅行に行くことが決まります。当時、国鉄時代に信州ワイド周遊券というのがあって、10日間自由に信州を旅することができ、周遊区間内は電車だけでなくバスも乗り降り自由というかなりの優れモノでした。
担任にサインをもらいに行く
学割証を入手するには、学割申請書に必要事項を記入して担任のサインをもらう必要があります。担任にサインをもらいに職員室に行くのですが、担任から旅行先や日程等の詳細な説明を要求されます。信州10泊旅行で旅程は未定と言うと、「10泊旅行!何考えとんのや、そんな暇があるんやったら勉強しい」と怒られてしまいます。私が「勉強なら旅行先でもできますよ、先生」と言うと、「ほんまにあんたは口だけは達者やな」と失笑されてしまいます。
筆者「先生、ささっとサインしてくれるだけでいいんです」
担任「サインはせーへん言うてるやろ」
筆者「何でですか?」
担任「うちはあんたみたいな人間が一番嫌いやからや」
筆者「あんたみたいな人間?それはどういう意味ですか?」
担任「やればできるのにやらん人間のことや」
筆者「勉強のことですか?」
担任「そうや、あんた、半年前の実力模試で学年10位やったんやろ」
筆者「旅行から帰ってきたら勉強に専念しますからサインして下さい」
担任「成績悪いんやから旅行なんかしてる場合やないやろ」
筆者「そこを何とかお願いします、先生」
担任「せーへん言うてるやろ」
筆者「学割がないと交通費が4000円割高なんですけど」
担任「そんなん知らんよ」
筆者「先生がサインするだけで4000円が浮くんですよ、お願いします」
担任「嫌や言うてるやろ」
勉強は学生の義務
担任が職員室を出て教室に向かったので私も後を付いて行きます。
筆者「先生お願いします」
担任「しつこい子やなぁ、旅行なんかせんで勉強しい言うてるやろ」
筆者「勉強もしますから」
担任「勉強するんやったら学割はいらんやろ」
筆者「旅行しながら勉強もします」
担任「もうええからさっさと教室行き」
筆者「学割は学生の権利じゃないですか」
担任「勉強は学生の義務やろ、義務果たしてから権利言いや」
筆者「分かりました、もう頼みません」
結局、担任の先生からは学割申請書にサインをしてもらえませんでした。担任の理不尽な仕打ちにかなり頭に来ましたが、成績不振だったことも確かだったので、あまり深追いして藪蛇になるのも嫌だったので、サインの件は剣道部の顧問に頼むことにします。
顧問にサインをしてもらう
学割申請書には原則として担任のサインか必要だったのですが、担任がサインを頑なに拒否したので、仕方なく部活の顧問にサインをしてもらうことにします。
筆者「この学割申請書にサインをしてもらいたいんですけど」
顧問「担任のサインやなくてもええんか?」
筆者「ダメ元で提出してみます」
顧問「何で担任はサインせーへんかったんや?」
筆者「旅行する暇があったら勉強しろと言って相手にされませんでした」
顧問「夏休みやしな、勉強ばかりしとってもおもろないもんな」
筆者「息抜きも必要ですよね」
顧問「でも、よー親が許したな、10泊旅行」
筆者「俺も友達の親が許したことに驚いたんですよ」
顧問「放任主義すぎやろ」
筆者「俺は去年の夏休みは1人で43泊旅行に行きましたよ」
顧問「43泊って、湯治でもしてたんかw」
筆者「湯治ってw長野が好きなので、長野で生活してました」
顧問「今回の旅行も長野県やろ?ほんまに長野が好きなんやな」
筆者「一時期は長野の高校に転入することも考えました」
顧問「どんだけ長野が好きやねん」
筆者「好き過ぎて困ってます」
顧問「まぁ、サインしたるから、旅行楽しんできーや」
筆者「ありがとうございます」
顧問「調子乗ってはめ外し過ぎて怪我せんように気ぃつけぇや」
筆者「はい」
その後、申請書を事務室に持っていきましたが、顧問のサインでもすんなり学割証を発行してもらうことができました。
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