【高校時代の思い出5】生まれて初めて人と真剣に向き合った15の春

ほとんど全ての人が、強烈なインパクトを受けた体験をいくつか脳裏に焼き付けているものですが、私の場合は、15歳までの人生の中で最も強いインパクトを受けた体験が、中学時代同じ部活をしていた同学年の女子との会話です。あれから40年近く経った今でも、あの時のことをたまに思い出します。

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再会

ある放課後の帰り道、友達HWと二人でそれぞれのチャリに乗りながら、ダラダラ話しながら道を進んでいる時に、二人の横を一人の女子が颯爽と走り抜けていきました。友達が「今のKさんじゃない?」と言ったのですが、私は誰だか分からなかったので、「Kさんは部活やってるでしょ」と言い、その場はそれで話しが終わったのですが、次の日も、私達の横を彼女が通り過ぎって行ったので、友達が「今のKさんだったよね?」と聞いてきたので、「Kさんぽかったね」と答え、友達が、「Kさん部活休みなのかな?」と言ったので、「休みなんでしょ」と言い、その場はそれで話しが終了します。それから何日もKさんを見かけ続けますが、ある日、彼女と目が合って、「あっ、Kさん!」と声を掛けたのに、彼女は無言で二人の横を通り過ぎてしまいます。友達が「無視されたよね?」と言い、私が「えっ!無視された?」とちょっとショックを隠し切れませんでした。それからもKさんとはよく会うことになるのですが、そのことについて友達HWと話し合いを持つことになります。

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大切な仲間

HW「Iに聞いたら、Kさん、ここ2週間部活を休んでるらしいよ」

※ Iというのは、中学時代同じ剣道部だったKIのことで、こいつも同じ高校の体育科で剣道部に所属していました。

HT(筆者)「そうなんだ、Kさんは、中学時代は部活休んだことほとんどない人のに、入ったばかりでいきなり2週間も休むとか、何かあったとしか思えないよなぁ、心配だよね」
HW「うん、かなり気になるよね。いつも暗い表情してるし、話しだけでも聞いてみたら?」
HT「うーん、なんか無視されてるっぽいし、話してくれるかな?」
HW「ダメ元でやってみたら?」
HT「うん、やってみる。Kさんは、あの地獄の剣道部を一緒に耐え抜いた戦友みたいなもんだからね。同じ高校になったのも何かの縁だと思うし、悩みがあるなら力になってあげたいし。」

そして、その日の放課後、私は、Kさんを待ち伏せすることになります。

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冷たい反応

Kさんが来るのを通りの角で待っていたら、自転車に乗った彼女がやって来るのが見えたので、意を決して彼女のことを呼び止めます。
HT(筆者)「急に呼び止めてごめん、少し話したいことがあってさ」
NK「何?急いでるんだけど」
HT「いやっ、あのさ、最近部活行ってないみたいだから、どうしたのかなぁって」
NK「何でそんなこと知ってるの?」
HT「えっ?、あっ、それは、ここ2週間ぐらいかな、帰りによく見かけてたから、部活辞めちゃったのかぁって、少し気になっちゃってさ」
NK「私が部活を辞めようが辞めまいが、Hには関係ないでしょ」
HT「いや、関係なくなくない?」
NK「何でよ?関係ないでしょ」
HT「なんかさー、すごい冷たくない?怒ってる?俺何か悪いことしたかな?」
NK「別に、で、何が言いたいの?」
HT「えっ、だから、やっぱり部活辞めちゃうの?かなって・・・」
NK「辞めると思う、ていうか辞める」
HT「部活で嫌なことされたとか?何か悩み事があるとか?」
NK「そういう訳じゃないけど、別にいいじゃん、どうでも」
HT「どうでも良くないだろ!、とにかく辞めるなよ!!部活!!!」
NK「だからさぁ・・・」
HT「部活辞めるなよ、もったいないよ、剣道やりたくて体育科に入ったんだろ?」
NK「何なの一体?」
HT「いや、だから、剣道続けた方がいいって言ってんだけど」
NK「そんなことあなたに言われる筋合いないし、あなたには関係ないでしょ?ほっといてよ!」
HT「いや、ほっとけない、ほっとけるわけないだろ!」

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彼女の言いたかった事

NK「自分だって逃げたくせに」
HT「逃げた?・・・って、俺が?」
NK「逃げたじゃん、剣道から逃げたでしょ」
HT「いや、でも、それとこれとは・・・、話が・・・」
NK「違わないよ、Hはさ、みんなのこと、仲間のことを裏切ったんだよ?、そのこと分かってる?」
HT「裏切ったつもりは・・・ないけど・・・」
NK「裏切ったでしょ、H以外みんな剣道続けてるんだよ、Hだけだよ、剣道やってないのって、恥ずかしくないの?みんなに悪いと思わないの?」
HT「それはそうだけど・・・、でも・・・、俺は・・・」
NK「IがHのこと「あいつは逃げた根性無しだ」って言ってたけど、私はHは絶対来てくれるって信じて待ってたんだよ」
HT「え・・・」
NK「私、Hがいつまで経っても剣道部に入って来ないから、すごい寂しかったんだよ」
HT「そう・・・だったんだ・・・」

この後暫く沈黙が続く

NK「じゃーさ、こうしようよ、Hが剣道部に入ったら私も剣道部に戻るよ、それでいいでしょ、中学の時みたいにさ、また二人で剣道頑張ろうよ、ねっ!いい考えでしょ、迷うことなんてないよね、明日の放課後教室まで迎えに行くね♪」

彼女がニコニコしながらこう言った時、私は、「これが藪蛇というやつか・・・」と心の中でそう呟いていました。

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真実を話す時

HT「俺が中2の頃、膝に全治8か月の重症を負ったのって覚えてる?」
NK「うん、覚えてる。あの時はすごい大変だったよね」
HT「実はさ、膝の怪我って完治はしてないんだよね。中学の時は、夏休みまでの最後の4か月間だましだまし剣道続けられたけど、高校では剣道はやらない方がいいって、医者から言われてたんだ」
NK「えっ、そうだったの?膝ってそんな状態だったの?」
HT「うん、お前と同じ高校になるって知って凄く嬉しかったし、また一緒に剣道やれてたらよかったのになぁって、でも、高校での剣道は諦めた方がいいと言われていたから、お前と一緒に剣道やれなかったことが、本当に辛かったし悔しかったんだ・・・」
NK「そうだったんだ・・・、ごめんね、私、ひどいことばかり言って、Hがそんな辛い思いをしていたなんて全然知らなかったから・・・本当にごめんね」
HT「悪いのは何も言わなかった俺の方だし、ただ、剣道をやりたくてもやれない俺のために、Nには剣道を続けて欲しいんだ。勝手なことを言ってるのは分かってるけど、部活辞めないで欲しい、剣道が好きなら続けるべきだと思うんだ」
NK「うん、分かった。私、剣道やるよ、Hの分まで頑張るよ!」
HT「ほんと!Kさん、ありがとな」
NK「ううん、私の方こそありがとう。Hと話して言いたかったこと言えたし、何かすごいすっきりしたし、いい意味で吹っ切れたよ」

この後、彼女は笑顔で家路へと就くことになります。

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複雑な思い

こうして彼女は無事剣道部に復帰することになるのですが、この時の私の心境はかなり複雑なものでした。というのも、本当に彼女を剣道部に復帰させて良かったのか?無理強いしてしまったんじゃないのか?彼女が帰宅部になった方が良かったんじゃないのか?彼女の人生にそこまで干渉して本当に良かったのか?といった思いが交錯していたからです。この一連の彼女とのやり取りは、それまで15年生きていた中で、生まれて初めて人と真剣に向き合い、お互いに本音でぶつかり合えたとても貴重な体験だったと思います。

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