学校から帰ってくると、勉強机の上に初恋の彼女からの手紙が置いてありました。その時は「何を今さら・・・、遅過ぎんだよ!」と言って、くしゃくしゃにして破いて捨てようかと思ったのですが、しばらく考えて、やはり手紙を見てみることにしました。
涙で滲んだ手紙
手紙は、泣きながら書いたのか、字が震えていたり、涙で滲みまくっていてほとんど読めない状態でした。最後の方に、直接話したいから電話番号を教えて欲しいと書いてありました。読めるところだけ読んだのですが、今まで連絡をしなかったことに対する悔恨の念が綴られていました。私は、彼女に電話番号を知らせるべきかどうか悩みます。この頃の私は、過去のしがらみを全て捨てて、この新天地で心機一転ゼロから出直そうと思っていたからです。一晩考えても答えが出ませんでした。しかし、やはり初恋の相手は特別と言われるように、とりあえず、話だけでも聞いてみようということで、彼女に電話番号を書いた手紙を返信します。
彼女からの電話
手紙を返信してから数日後に彼女から電話が掛かって来ました。電話に出るなりいきなり泣きじゃくっていました。
彼女「ごめんなさい。許して。お願いします。許してください。私Hと別れたくない。Hに捨てられたら私生きていけない」
筆者「生きていけないとか・・・、そんなこと言うなよ・・・」
彼女「私、Hに捨てられたら生きていけないよ、本当に死んじゃうと思う」
この時、こんな状態の彼女を捨てて、Kさんと付き合うことなんて絶対に出来なかったと思いました。俺とKさんは、最初から結ばれない運命にあったんだなと、そう思うと涙がとめどなく溢れてきました。そして、俺が、もし、あの時死んでいたら、彼女はどうなっていたのかと思うと、ゾッとしました。
筆者「俺がお前のこと捨てるわけないだろ!馬鹿なこと言ってんなって」
彼女「ほんと!私達、今まで通り恋人同士なんだよね?」
筆者「当たり前だろ!でも何で俺のこと止めに来てくれなかった?関西行かないでって」
彼女「私が会いに行って、私のために行かないでって泣きながらHにすがって、それでもHが行っちゃったら、私、絶対立ち直れなかったと思うから、怖くて行けなかった」
筆者「おまえが止めてくれてたら、俺は転校なんかしなかったのに」
彼女「私も後悔してる、ほんとにごめんね、私、いい彼女じゃなかったよね・・・」
この時は、本当に運命というのは残酷だと思っていました。
中学の卒業式の日
彼女はすっかり元気になって、泣いたカラスがもう笑ったというのは、まさにこのことなんだなと思いました。
彼女「でも、Hもひどいんだよ。卒業式の日、私に何も言わないでさっさと帰っちゃったでしょ?私だけじゃなくて、クラスのみんなもHのこと探してたんだよ」
筆者「あの時は、友達と卒業旅行に行くからダッシュで帰った」
彼女「私に一言くらい言ってってくれても良かったじゃん。私はHと一緒に帰りたかったし、休みの間の相談とかもしたかったのに~」
筆者「ごめん。でもさぁ、電話掛けてくれば良かったじゃん」
彼女「卒業式の日に無視されて先に帰られちゃったのに、こっちからはとても掛けられないよ。Hから掛かってくるのずっと待ってたんだよ」
筆者「確かに俺が悪いよな。卒業式の日に無視して帰っちゃうし、その後全く連絡もしなかったし」
彼女「そうだよ、Hさえもっと私のことを考えてくれていたら、私達、離れ離れになってなかったよ・・・」
彼女とは19歳まで付き合うことになりますが、高校を無事卒業できたのも偏に彼女が私の精神的な支えになってくれたお陰です。彼女には挫けそうになった時に何度も励まされました。彼女には本当に感謝しかありません。今思うと、私は彼女のことを本当に大切にしていなかったと、そのことを深く反省しています。私がもっと彼女のことを大事にしてあげていれば、もっと違った結果になっていたように思います。本当に彼女には申し訳ないことをしたと思っています。


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