船橋の高校から宝塚の高校に転校して2ヶ月以上が過ぎ、この時の私は、部活に恋愛に夜の自主トレにと、かなり充実した毎日を送っていました。勉強の方は、全ての人の忠告通り、成績はダダ下がりの一方でしたが、特には気にしていませんでした。
校長命令で剣道部部長に任命される
すっかり春らしくなってきたそんなある日、学校に行くと正門のところに校長が立っていました。
筆者「おはようございます」と言って、軽く会釈をします。
校長「おはよう!T、お前に話があるからちょっとこっちに来い」
筆者「話って何ですか?」と言って校長に付いて行きます。
校長「T、喜べ、お前のために剣道部を作ってやったぞ!」
筆者「はっ?俺のために剣道部を作ったってどういうことですか?」
校長「お前のために作った剣道部なんだから、お前は来月から剣道部の部長をやれ」
筆者「いや、ちょっと待ってくださいよ、校長、俺、今、野球部に入ってんですけど」
校長「野球はもういいから、来月からは剣道部の部長として頑張れ!」
筆者「野球はもういいってwそもそも、俺は剣道なんてやりたくないんですけど」
校長「これは校長命令だからな、分かったな。剣道でこの高校を有名にしてみろ」と高笑いしながら去って行きます。
この時の私は、一体何が起こったのか、しばらく訳が分かりませんでした。しかし、よく考えた結果、校長命令に逆らうのは、この学校にいる以上はよくないだろうという結論に至ります。
野球部員との別れ
野球部を辞めざるを得なくなったので、クラスメイトのNとRに、野球を辞めることを伝えます。
筆者「俺、野球部辞めようかと思ってんだけど」
部員N「えっ、何で?今まですごい頑張ってきたやん」
部員R「最低半年は続けろって前言っただろ」
筆者「やっぱ俺って野球に向いてないのかなって、高いフライも取れないし」
部員N「眼鏡かけろって監督に言われてただろ、Hって、目細めて見る時がよくあるから、まじで眼鏡掛けた方がいいと思うよ」
部員R「眼鏡かけたら野球うまくなるかもしれないし、とにかく、さっさと眼鏡作って来いよ」
筆者「いや、ていうか、もう辞めることに決めたし・・・」
部員N「お前の練習に付き合うために、俺がどれだけ時間と労力割いてきたと思ってんだよ!」
部員R「野球未経験のお前がここまでやれたのも、他の部員達がお前のために協力してくれたお陰だろ?みんなのこと裏切るのかよ」
NとRがいなかったらと思うと今でもゾッとします。彼等がいたから、クラスでもボッチにならなかったし、野球未経験の私でもやっていくことができました。
T高野球部のエースNが私のところにやって来ます。
投手N「H、野球ほんとに辞めるんか?」
筆者「ああ・・・」
投手N「何でや?メッチャ頑張ってたやん。誰かに何か言われたんなら、そいつに俺から言うたるで」
筆者「いや、そういう理由じゃないから」
投手N「ここまで頑張ってやめたらもったいないやろ、甲子園にも行けるかもしれへんし」
筆者「くじ運次第だろw」
投手N「うんw」
筆者「お前には本当のこと言うけど、校長に、野球部辞めて、来月から剣道部の部長やれって言われたんだよ」
投手N「何だよそれwほんまの話なんか?」
筆者「ほんとだよ」
投手N「メチャメチャやな、大丈夫なんかいなこの学校w」
筆者「N、ありがとな、辞めるの止めようとしてくれて、嬉しかった」
投手N「短い間だったけど仲間やしな、剣道がんばれよ」
筆者「ああ、まぁ、お互いがんばろうぜ」
野球部を辞める日/剣道部に入部する日
春休み前に野球部を辞めることに決めたので、監督に退部の旨を伝えに体育教官室へ行きます。
筆者「監督、俺、来月から剣道やるんで野球部を辞めます」
監督「おお、そうか、まぁ、その方がええやろ」
監督から少しは引き止められるかと思っていましたが、全く引き止められなかったので、俺って戦力扱いされてなかったんだなと、少しがっかりした自分がいました。
体育教官室に、剣道部の顧問になる新任体育教師のK先生がいたので挨拶をします。
筆者「校長から話聞いてます?」
顧問「ああ、聞いとる。お前、野球部やったんか。野球にはもう未練はないんか?」
筆者「まぁ、未練はありますけど・・・」
顧問「校長から、I高仕込みの猛者がいる聞いてるけど、お前、I高出身やねんな。あの高校、スポーツで有名なところやろ?」
筆者「スポーツ校ですよね。ていうか、俺、I高では剣道やってませんよ、校長、何か勘違いしてますよ」
顧問「えっ?、やってないってどういうことや?」
筆者「剣道は、中学で引退して以来やってません」
顧問「そうなんか。でも中学ではやっとったんなら大丈夫やろ」
筆者「中学の時も、8カ月のブランクの後で4か月やっただけなので、中2の7月から今までの約3年間で、4ヶ月しか剣道はやってませんよ」
顧問「ほとんど素人と変わらんけど、大丈夫なんか?」
筆者「俺は剣道なんてやる気ないって校長には言ったんですけど、聞く耳持たないっていうか、K先生から校長に、俺には剣道部の部長は務まらないって言ってくれませんか?」
顧問「言えるわけないやろ。校長が決めた事だから俺等は従うしかない」
こうして剣道部に入部するわけですが、顧問から春休み中に、部の運営方針や練習スケジュール等を作成するように言われます。そもそもは、校長が私のために作ってくれた剣道部なので、先ずは、私のやりたいようにやってみろというのが顧問の考えでした。


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