彼女達の涙の訴えを目の当たりにした私は、同学年の関西女への怒りを、何の罪もない、いたいけな後輩の女の子にまでぶつけていた自分の愚かさを恥じていました。私にとって、彼女たちは、なくてはならない存在へと変わっていきます。
後輩女子達と一緒に帰る
長かった彼女達との話し合いが終わり、私は、剣道場の鍵を閉め、彼女達と体育館の出入り口へ向かっていました。
後輩「先輩、トイレに寄って行ってもいいですか?」
筆者「いいに決まってるでしょ。早く行ってきなよ」
後輩「Oちゃん、先輩が逃げないように捕まえておいてね」
筆者「逃げるわけないだろw」
Oさん「みんなで交代で先輩のこと見張りますから」
筆者「こんな遅くに君たちだけ置いて帰れるわけないだろ」
Oさん「先輩はほんとは優しい人ですよね?なのに何で私たちにあんなに冷たかったんですか?」
筆者「それはね、Oさん、男は、かわいい子にいじわるしたくなるのものなんだよ」
Oさん「えっ、そうなんですか?」
筆者「そうなの。ほら、Oさんも早くトイレに行ってきなよ」
Oさん「先輩、絶対に逃げないで下さいね」
筆者「絶対逃げないから、早く行っておいで」
後輩の女の子を待っている間、彼女たちを精神的に追い詰めてしまったことを悔いていました。
後輩「先輩はトイレいいんですか?」
筆者「うん、大丈夫だから帰ろう」
後輩「先輩と一緒に帰るの初めてですね」
筆者「そうだね」
かわいい後輩達
体育館を出ると外は真っ暗でした。
後輩「先輩、今日は、迷惑かけてすいませんでした。私たちは、辞めるつもりで、辞める前に、先輩に言いたいことを言ってから辞めようと思ったんです」
筆者「そうだったんだ」
後輩「でも、こうやって先輩と仲良くなれてよかったです」
筆者「言いたいことを言ってくれて良かったよ」
後輩達が、先輩、先輩と言って、嬉しそうにはしゃぎまわっています。
後輩「先輩、空を見て下さい。メッチャ星がきれいですよ」
筆者「うわっ、ほんとにすごいきれいだね」
後輩「この高校って山の上にあるから星がきれいに見えるんですね」、「プラネタリウムみたいな空ですね、先輩」
筆者「ほんとにプラネタリウムみたいだよね」
後輩「きっと、先輩と私たちが仲良くなれたことを天が祝福してくれているんですよ」
筆者「天が祝福してくれてるか・・・」
後輩「こうやってみんなで星空見るのっていいですよね、先輩」
筆者「うん」
この時の私は、落ちてきそうな星空ってこういう星空のことを言うんだろうなぁと、ものすごい感動していました。
後輩「先輩、早く行きますよ」
筆者「あっ、ごめん」
後輩「こうやって腕を組んで歩いていると、私たち、カップルみたいですよね」
筆者「そう?」
後輩「あっ、Oちゃんだけずるい!先輩、私も腕組んでいいですか?」
筆者「いいよ」
後輩「先輩、両手に花で嬉しいですか?」
筆者「男なら誰だって嬉しいんじゃない」
後輩「先輩、照れてません?」
筆者「こういうの慣れてないから」
後輩「照れてる先輩って、なんか可愛いですね」
筆者「・・・」
後輩「先輩、男子より私たちの方がいいですよね?」
筆者「やっぱり女の子の方がいいよね」
後輩「先輩、もっと早く私たちと仲良くなっておけば良かったって思ってません?」
筆者「君達が辞めなくて本当に良かったと思ってる」
後輩「先輩、これからも仲良くしましょうね」
筆者「うん」
一時は、後輩の女の子達からリンチされるんじゃないかと、かなりビビッていたのですが、彼女達に囲まれながら帰っている時に、「何この薔薇色の高校生活みたいな展開w」と、心の中でそう呟いていました。
Kさんへの思い
満面の笑みを浮かべ無邪気にはしゃぐ彼女達を見ながら、私は心の中でKさんのことを思い出していました。「Kさんも、俺を見ると、嬉しそうに無邪気に後ろからよく抱きついてたよなぁ。Kさん元気かなぁ、今頃どうしてるのかな?剣道続けてるかな?Kさん、俺、剣道やってるよ。Kさんと一緒に剣道やりたかったな。もう一度Kさんに会いたいなぁ」と、心の中で呟いていました。
Kさんのことを忘れるためだけに、ただそれだけのために宝塚の高校に転校してきたのですが、結局、私は、Kさんのことを忘れることはできませんでした。それが彼女に対する裏切りと分かっていても、Kさんへの思いを消すことはできませんでした。


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