留学先を決めるに当たって、州、都市、ESLの有無、TOEFL何点で学部入学できるか、学費、生活費、寮費、総学生数に占める留学生数の割合、学生/教員比率、図書館の規模と蔵書数、コンピューターの台数、学校の敷地面積、志望学科の有無、男女比等、全てを考慮して選んだ大学がアビラ大学でした。
二人の謎の金髪美女
1994年8月20日、私は、カンザスシティ国際空港の待合室にいました。椅子に座って俯きながらウトウトしていると、女性の声が聞こえてきます。
女性「すいません、すいません」
筆者「えっ!」
女性「すいません、寝てましたか?」
筆者「あっ、いや、大丈夫ですけど・・・」
女性「お願いがあるんですけど」
筆者「はい?」
女性「私たちの荷物を見ていて欲しいんですけど、お願いできますか?」
筆者「いいですけど・・・」
女性「ありがとうございます」
私と話をしていたのは、年の頃は17~8歳くらいの金髪美女二人でした。私は心の中で、「何であの二人は、俺が日本人だって分かったの?そもそも、何で俺?何であの二人の外国人はあんなに日本語が上手いの?」と心の中で呟いていました。国際空港の待合室なので私以外にも人がいるのに、何でわざわざ寝ている私に話し掛けてきたのか?しかも、俯いてウトウトしている私をどうして日本人だと分かったのか?金髪に青い瞳の外国人なのに日本語がやたら流暢すぎる、しかも、ここはカンザスシティの田舎町だというのに、とにかく、あまりにもいろいろおかし過ぎるので、彼女たちが帰ってきたらこの3点を聞いてみるつもりでいました。しばらくすると彼女たちが帰ってきます。
女性「ありがとうございました。助かりました」
筆者「いえいえ」
女性「本当にありがとうございました、失礼します」
筆者「はい・・・」
結局、彼女たちには何も聞くことができませんでした。しかし、未だにあの時の出来事が、自分の中では腑に落ちないというか、納得がいかないというか、どうしてあの時ちゃんと聞かなかったのか、未だに後悔している出来事の一つでもあります。
アビラ大学の学生寮
空港の待合室で時間を潰してから、大学のISA(International Student Advisor)との待ち合わせ場所に行くと、もう既にその人が来ていました。その人の車に乗り、いろいろと話をしながら大学へ向かいます。大学の駐車場で車を降り、そこから大学の学生寮へ行くのですが、思ったより小さな大学で、寮もそんなに大きくありませんでした。寮の部屋は、二人部屋で、ベッドには白い真新しいシーツがかけられ毛布が一枚置かれていました。枕も奇麗なシーツで包まれていました。ISAが部屋から去ると、あっという間に深い眠りについていました。目が覚めると夜中の3時で、10時間ぐらい寝ていました。腹は減ってるし喉も渇いていたので、部屋から出て寮の中を探検することにします。とりあえず、トイレがあったので用を足し、しばらく寮の中をうろついていると、電子レンジや冷蔵庫、IHコンロ等が置かれている部屋を見つけます。冷蔵庫の中を開けると色々な食材が入っていましたが、さすがに勝手に食べたらまずいだろうと思い、冷蔵庫を閉めて再び寮の中の探検を開始します。廊下にかすかに明かりが見えたので、そこに行くと自販機を発見します。ジュースやお菓子が売っていたので、さっさと購入して部屋に帰ります。ジュースとお菓子で腹が満たされたので再び眠りにつき、気が付いたら朝になっていて、ISAの人が迎えに来てくれたので、その人と一緒に大学へ行くことになります。驚いたのは、寮には地下道があって、その地下道から大学へ行けることでした。地下道を進んでいくと、ライブラリー、カフェテリア等の標識があって、ISAに、こっちへ行くと図書館、あっちは食堂みたいに説明を受け、さらに進んでいくと、大学へと通じる階段があり、そこを上がって校舎内に入りISAの部屋へ向かいます。
オリエンテーション
ISAの部屋へ行くと他の留学生たちが待っていました。ISAの案内で会議室のような部屋へみんなで行き、そこでオリエンテーションを受けることになります。内容は、自己紹介、アメリカでの生活の仕方、寮と学校の規則、ESLの授業内容等多岐に渡っていました。自己紹介の時に、日本人が自分以外に2人いることに気付きます。2人とも女性でした。他は、タイ人女性が2人、台湾人女性が1人、ロシア人女性が1人、ロシア人男性が1人、香港人女性が1人で、ESLに通う留学生は私を含めて9人でした。1人の日本人女性は若い可愛い子でした。ロシア人女性も若くて奇麗な子でしたが、後でその子が結婚しているという噂を聞きかなりの衝撃を受ます。あっという間にランチタイムになったので、みんなで食堂に行きランチを摂ります。ランチの後もオリエンテーションは続き、その後、みんなでSSN(Social Security Number)を取得しに行くことになります。SSNがないと現地で銀行口座が開けないので大至急取得する必要があったわけです。SSNは簡単に取得でき、その後、銀行口座を開きたい人が銀行に行って口座を開きます。私も口座を開設してパーソナルチェックを入手します。アメリカの場合、現金ではなく、多くの場合、このパーソナルチェックを現金代わりに使います。
ESLの女性の先生
SSNの取得から銀行口座開設まで、全てESLの女性の先生が面倒を見てくれました。大学に着いて解散になったのですが、先生が私をウォールマートまで連れて行ってくれることになります。道中の車の中で、先生が私のベッドメイキングをしてくれたことを知って驚かされました。確かに、もう一つのベッドには、マットレスにシーツも掛かってなかったし、枕や毛布もなかったことを思い出します。ウォールマートでは、必要な物は先生が全部揃えてくれたんですが、その時に、生まれて初めてパーソナルチェックを使って、確かに現金より便利だなと感心していました。学校への帰りの車の中で先生の年齢を聞いた時に、アメリカでは女性に年齢を聞くのはマナー違反と教えられます。バーガーキングのドライブスルーで夜食を買い、大学の駐車場で先生と別れる時に、今度一緒に買い物に行く時に子供達に会わせてあげると言って、先生は帰って行きました。
こうして大学生活の初日が終わるわけですが、一日の内容が濃すぎるというのが、アメリカ生活第一日目の率直な感想でした。


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