【高校時代の思い出53】兵庫県高校総体剣道大会に出場する

1986年(昭和61年)の夏に開催される、兵庫県高等学校総合体育大会剣道大会に出場してみないか?と顧問に聞かれ、地区予選なしでいきなり県大会に出られるんですか?と聞いたところ、地区予選なしで出られると言われて驚いた記憶が残っています。

スポンサーリンク

1回戦目

1回戦目の対戦校の名前は全く覚えてませんが、先鋒(1年2段)が殊勲の1本勝ち、次鋒(2年)が2本負け、中堅(1年初段)が引き分け、副将(2年)が1本負けの1勝2敗1分けで、私が大将戦で2本勝ちすれば代表戦に持ち込めるという状況でした。顧問に「部長らしいことをしてみろ」と言われ試合に挑み相手を秒殺します。試合後顧問に「代表戦もお前で行くから後輩達にいいところを見せてやれ」と言われます。代表戦は私と相手校の次鋒との戦いでしたが、私が相手を秒殺して2回戦進出を決めます。試合後に顧問のところへ行きます。

顧問「お前ほんまに前の高校で剣道やってへんかったんか?」
筆者「やってませんよ」
顧問「2年近いブランクがあるとは思えんぞ」
筆者「そうですか?」
顧問「強すぎやろw」

しばらくして後輩の女の子達が駆け付けてきます。

後輩「あっと言う間に終わっちゃいましたね」、「先輩強すぎます」、「先輩はできる人だと思っていました」、「先輩、かっこ良かったですよ」、「次の試合も頑張ってください」

スポンサーリンク

2回戦目

2回戦目の対戦校の名前も全く覚えてませんが、シード校だったので強い事だけは確かで、顧問にも「今度の相手はお前らが逆立ちしても勝てる相手やないから、胸を借りるつもりで怪我せんように戦って来い」と言われてしまいます。先鋒から副将まであっという間に試合が終わってしまい、顧問から「勝てとは言わん。わしはそういう無茶は言わん。T、あいつらみたいなふがいない試合だけはしてくれるな。1分、いや、30秒でええ、30秒耐えてくれ。最後にK高の意地を見せてこい!」と激を飛ばされます。後輩からは「先輩、彼等メチャクチャ荒い剣道してきますから気を付けた方がいいですよ」と言われます。確かに彼らはかなりラフな剣道をしていました。相手の大将は3年生で身長186㎝~188㎝と思われる大男で、対戦前は、私が勝とうが負けようが勝敗には全く関係ないので、怪我しないようにさっさと負けて帰ろうと思っていました。

スポンサーリンク

後輩の女の子の祈る姿

試合開始前に応援席に目をやると、後輩の女の子が必死で祈っている姿を目にします。その姿を見た時、「そうだ、俺は、かわいい後輩の女の子たちのために全力で戦わなきゃダメなんだ、あの子達の応援に応えなきゃいけないんだ」と16年の人生で初めて闘争心に火が付きます。この時ほど、人の応援が心に沁みたことはありませんでした。試合が始まると、相手がいきなり突きを打ってきたので、「高校剣道は突きがあるのかよ、面倒だな」と心の中で呟きます。身長差から面は諦めて、胴か小手で一本を狙おうとしますが、相手もそれは百も承知なので防御も完璧で、一回戦の時の相手のように簡単に勝つことはできませんでした。パワー、スピード、テクニックと全てが一回戦の相手とはレベチでした。

スポンサーリンク

死闘

つばぜり合いになると、相手に足の甲を強く踏まれたり、足を意図的に蹴られたりします。さらに、思いっ切り場外に吹っ飛ばされた時は、周囲の人達に「大丈夫か?」、「怪我ないか?」と気遣われるほどで、竹刀を床に突いて立ち上がる時に、爆弾を抱えている左ひざに痛みを感じますが、試合を棄権するほどの痛みではなかったので安堵します。両者全く引かない試合展開で、二人で場外に突っ込んだりしていたので、周りで試合を見ている人達も災難だったと思います。相手の剣道のあまりのラフさに、中学時代に顧問とやった地稽古のことを思い出していました。相手としても、前の4人が圧勝しているのに、2年相手に苦戦しているという焦りを感じていただろうし、自ずと剣道が荒くなるのも無理がなかったかもしれません。「残り30秒です」という声が聞こえ、鍔迫り合いから引き小手に見せかけての引き面で遂に一本を取ります。その時は、嬉しさのあまり一回転しながら小さくガッツポーズをしてしまいます。最後は相手も死に物狂いで一本を取りに来ますが、時既に遅しで、「時間です」というコールと共に試合は私の一本勝ちで終わります。

スポンサーリンク

勝利の余韻

私に負けた対戦相手はメチャクチャくやしがっていました。試合後、顧問の所へ行きます。

顧問「すごい試合やったな。怪我してへんか?」
筆者「大丈夫です」
顧問「おまえ凄い奴やったんやな。まさか勝てるとは思わんかったわ。ほんまよう勝ってくれた。ほんまにええ試合やった。お前に言う事はもう何もない」

顧問の目は潤んでいました。しばらくして、後輩の女の子たちが私の所へやって来ます。

後輩「先輩、怪我ないですか?痛い所ありませんか?すごい吹っ飛ばされてましたよね」
筆者「全然大丈夫。俺ってこう見えても結構タフなんだよね」
後輩「先輩、すごい試合でしたね」、「めちゃくちゃ感動しました」、「先輩、カッコ良すぎです」、「先輩はやっぱり凄い人だったんですね」、「あんなすごい試合見せられたら惚れちゃいますよ、先輩」、「私は先輩のこと惚れ直しました」
筆者「君たちおかげだよ。君たちの応援にすごい勇気づけられた。みんなの祈りと応援のおかげで勝てたんだよ。ほんとありがとな!みんな」
後輩「せんぱ~い」

この時の私は、この試合をKさんに見てもらいたかったなと思っていました。

スポンサーリンク

校長先生との会話

翌朝学校へ行くと、校長先生が正門前で待っていました。

校長「T、おはよう、元気か?」
筆者「おはようございます、校長先生。元気ですけど」
校長「そうか、それは良かった。昨日は大活躍だったらしいな」
筆者「えっ、まぁ、一応、頑張りました」
校長「その調子でこれからも頑張れ!」
筆者「はい」

この時、顧問が昨日の試合のことを校長に報告したんだなと思いました。

校長「来年は全校生徒で応援に行くぞ」
筆者「えぇー!いや、それはまじでやめて下さい」
校長「何でだ?応援があった方がいいだろ」
筆者「会場狭いし全校生徒は無理ですよ」

この時ほど驚いたことはないというほど驚きました。剣道の試合ごときで全校応援とか有り得ねーだろと、この校長なら本当に全校応援もやり兼ねないと思いながら、本当に全校応援なんてことになったらどうしようと考えていました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました