私がアメリカ留学をしていた1994年は、アメリカと北朝鮮の緊張がかなり危険なレベルまで高まっていた時期でした。クリントン大統領は、北朝鮮が核開発を放棄しない場合、攻撃を加えることを最後通牒する寸前までいっていました。いわゆる朝鮮半島核危機というやつです。
年齢的には大学院生
Wさんと将棋をしながら雑談をしていた時のことでした。
筆者「Wさんは、何の勉強をしているんですか?」
Wさん「MBA」
筆者「MBA?MBAって何ですか?」
Wさん「Master of Business Administration」
筆者「全然分かんないんですけど?」
Wさん「ビジネスの修士号のことだよ」
筆者「修士号って何ですか?」
Wさん「大学院には修士課程と博士課程があって、最初に学ぶのが修士課程で、俺はビジネスの修士課程を学んでいるんだよ」
筆者「Wさんて大学院生だったんですか!?」
Wさん「そうだよ」
この時は、修士課程や博士課程、MBAが経営学修士であることとか、そもそも経営学修士が何なのかでさえ全然知らなかった時期でした。恥ずかしい程の無知でした。
筆者「Wさんて何歳なんですか?」
Wさん「25歳」
筆者「えっ、俺と1歳しか違わないんですか!俺24ですよ」
Wさん「Hは24歳でESLってこと?ESL卒業したら大学院行くの?」
筆者「大学院じゃなくて大学に行こうかなとは思っています」
Wさん「ええ!大学!?大学院じゃなくて?」
筆者「大学です」
たった1歳しか違わないのに、二人の置かれた立場が全く違うことに愕然とさせられていました。
台湾と韓国は徴兵制
Wさん「今まで何してたの?軍隊にでもいたの?」
筆者「軍隊ってw軍隊にはいませんよ」
Wさん「俺は台湾軍に2年いたよ」
筆者「ええ!?まじですか?」
Wさん「台湾は徴兵制だよ、知らなかった?」
筆者「全然知りませんでした」
Wさん「韓国も徴兵制だよ、知らなかった?」
筆者「韓国も徴兵制だったんですか、全然知らなかったです」
Wさん「日本は徴兵制ではないんだよね?」
筆者「日本は徴兵制ではないですね」
Wさん「日本は、軍隊ではなく自衛隊だよね?」
筆者「そうなんですか?自衛隊って軍隊ですよね?」
Wさん「日本軍とは言わないよね。自衛隊だよね」
筆者「そうなんですか、良く分からないですね」
この時の私は、自衛隊と軍の違いとか、韓国と台湾が徴兵制であることを知らなかったことを恥じかしく感じていました。さらに、韓国と台湾が徴兵制なのに、何で日本は徴兵制ではないんだろうと、素朴な疑問を感じていました。個人的には日本も徴兵制にすべきだろうと思っていました。自衛隊は、国際法上は軍隊扱いでも、国内法上は軍隊ではないという、わけの分からない存在であるということをその後知ることになります。
自分の人生を憂う
Wさんと色々な話をした後で自分の部屋に戻り、椅子に座って机に伏せながら自分の置かれた立場を憂いていました。25歳のW氏が大学院生で、24歳の私がESLでしかも最低クラスという屈辱的な状況に置かれ、15歳のロシア人の小僧からは毎日のように、「ルーザー、日本に帰って働け、現実逃避すんな」みたいに言われ続け辟易としていたし、何で留学なんてしてしまったんだろうかと思い悩んでいました。そもそも勉強したくて留学したわけではなく、ただ単に、15歳~24歳まで9年間思い続けた女性を忘れるためだけにアメリカに来ただけだったので、本当に自分は何をやっているんだろうとかなりの自己嫌悪に陥っていました。24歳になってもやっていることが15歳のまんまだったので、自己嫌悪に陥るのも無理はありませんでした。


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