【高校時代の思い出30】楽園からの追放 【失楽園】

小学校3年の5月に東京から千葉に転校したのですが、転校先の学校でひどいいじめを受けたことで、転校そのものがトラウマになり、もう二度と転校なんかするまいと誓っていたはずだったのに、今度は、高校1年の1月という中途半端な時期に転校することを決めてしまいます。

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転校を決めた日

転校することを親に報告します。
筆者「やっぱり転校することにしたから」
母親「何馬鹿なこと言ってんの、転校なんかしたら人生が台無しになるってA先生にいわれたでしょ。あんたはK先生の家にお世話になって勉強に専念すればいいの、分かった?」
筆者「転校するしかなくなったから転校するしかない」
母親「もう転校なんて出来ないわよ。こんなギリギリじゃ無理だよねお父さん?」
父親「無理じゃない。転校したいなら明日担任に行って必要な書類をT高に送ってくれるように頼みな」
筆者「分かった」
母親「とにかく転校なんて絶対したらダメだからね」
翌日、担任のA先生に転校する旨を伝えます。
筆者「先生、転校することになったので書類をT高に送って下さいと、父が言っていました」
先生「転校することになったてどういうこと?つい先日、Tのお母さんから転校しなくてよくなったって大喜びで電話が掛かってきたばかりだぞ」
筆者「事情が変わりました」
先生「先生が納得いく理由を聞かせてくれよ」

この時の私は、先生に「この学校に死ぬほど好きな女生徒がいて、でも、その子は好きになっちゃいけない子で、その子の顔を見るのが死ぬほど辛すぎるので転校します」と言えればどんなに良かっただろうと思っていました。先生には、理由は聞かないで下さいと言い続けるしかありませんでした。先生からは、いろいろな事を言われましたが、自分の固い意志は揺るぎませんでした。

先生「お前の人生なんだから先生はもう何も言わんが、とにかく向こうの学校でもガンバレ。それと、クラスのみんなには何も言わないで行くつもりか?」
筆者「みんなには黙って行きます。すいません」

遂に、転校をすることが決まります。

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恩師の家庭教師

恩師である家庭教師宅へ伺い、事情を説明します。転校することを聞かされた先生はかなりショックを受けていました。この時のことはそんなによくは覚えてないのですが、先生が言ったいくつかのことははっきりと覚えています。

先生「H君、去年の三者面談で、成績が悪すぎて行く高校が無いって言われて落ち込んでたよね?今転校したら、高3の三者面談でまた成績が悪すぎて行く大学が無いって言われるけど、それでもいいわけ?」

高校入試の時も、偏差値30しかなかった自分が高校に行けたのもこの先生のお陰であることは100も承知していました。そして、この先生の予言は見事に的中し、高3の三者面談で担任から親子でボロクソ言われた挙句に、こんな成績じゃ大学どころじゃない、卒業すら危ないと言われます。

先生「H君はまだ15だよね?」
筆者「はい」
先生「15で人生棒に振るようなことはやめよう。転校なんかしないで、ここに住んで東大目指そうよ。前に言ってたよね?東大行って僕より出世するって。ここに住めば、僕も仕事がない時に勉強見てあげられるし、H君は怠け癖があるから、勉強を怠けないように注意も出来るし、ここで一緒に勉強頑張ろう!東大目指して勉強すれば、最低でも僕が行った大学と同レベルの大学には行けるから。これは保証する」

家庭教師の先生の家に暮らして、先生に勉強を見てもらえば、2年後には相当いい大学に行けるだろうことは容易に想像がつきます。これは下宿でもあり受験合宿でもあったからです。しかし、私は、それでも転校すると言って先生と別れます。帰り際、先生の母親から、「どうしても転校しちゃうの?私達に遠慮する必要は全くないのよ。お兄ちゃん(先生)も、H君のこと新しい弟ができたみたいだって言って、一緒に住むこと喜んでたのに、H君が関西に行っちゃったら残念がると思うの」

こう言われた時、涙が溢れて来ました。私は、泣きながら外を走っていました。公園のベンチで泣きながら「俺は馬鹿だ。先生と先生の母親の好意を踏みにじって、約束された未来を捨てて、俺は本当に大馬鹿野郎だ」と叫んでました。

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苦悶の日々

もうこの頃から、Kさんに対する恋わずらいや、楽園のようなI高を捨てて地獄が待つT高へ転校することへの不安などで、精神的にかなり不安定になっていました。ここから、自分の人生で最も過酷な3週間が始まることになります。あの時は、何で15歳の俺がこんな辛い思いをしなくてはならないのか、あまりの理不尽さに毎日涙で枕を濡らしていました。本来であれば、I高でKさんとバラ色の学園生活を送り、恩師の家庭教師宅で2年間受験合宿をして東大を目指しているはずだったのに、それが、最愛のKさんと別れて地獄が待つ関西へ転校しなければならないという、そのあまりのギャップに気が狂いそうになっていました。しかし、私はどうしてもDさんを捨ててKさんと付き合うことはできませんでした。物心付いてからDさんと付き合うまで、ほとんど全ての女から「キモい、臭い、化け物、気持ち悪い、死ね」と言われ続けて来た私に、Dさんが生まれて初めて「T君かわいいし、好きだし」と言ってくれた、そんな彼女をとても裏切れませんでした。しかも、彼女は、私が生まれて初めて一目ぼれをした初恋の女性でもありました。もう本当にどうしようもありませんでした。

結局は、アダムとエバが罪(原罪)を犯してエデンの園という楽園を追われたように、私も、Dさんという彼女がいるのにもかかわらず、Kさんのことを好きになってしまうという罪を犯してしまったことで、その罪によってI高という楽園を追われてしまいます。一ヶ月前に購買で彼女と再会さえしなければ、恐らく、このようなことにはなっていなかったはずだと、そのように考えていた時もありました。

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