【高校時代の思い出33】自殺未遂をした日【大失恋の末に】

転校初日で、I高とT高のあまりのギャップに打ちのめされます。I高が天国過ぎたというのが一番大きかったのだろうと思いますが、カルチャーショック、ホームシック、最愛の女性に失恋したショックなどが重なり、絶望しかない完全にお先真っ暗状態でした。

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死のうかな

転校初日にして、自分がいかに甘い考えで転校してしまったのかを後悔することになります。確かに、転校する前から関西の高校では地獄が待っていることは分かってはいましたが、ここまで酷い地獄が待っているとは全く思っていませんでした。I高の環境があまりにも居心地の良いぬるま湯過ぎて、T高の環境が余計に劣悪に感じてしまったのかもしれません。こんな学校にとても2年以上もいられない、高校中退して転落人生を歩むだろうことを確信していました。色々な人に、転校したら人生終了と言われていたのはこのことだったんだなと、転校初日で早くも気づかされます。学校からの帰り道、転校初日にしていきなり不細工扱いされたことを考えながら「こんな不細工な俺のことを抱き締めてくれる優しい女性はKさんだけだろうな」と、そんな風に思うと、いかにKさんが自分にとって大切な女性であったのかを改めて思い知らされることになります。「Kさんに後ろからギュッと抱きしめられたいなぁ」と思っても、もうKさんに抱きしめられることも一生ないのかと思うと急に涙が溢れ出し、この時生まれて初めて「死のうかな」という気持ちになります。この時の私は、Kさんのいない人生を生きることに意味を見出せませんでした。Kさんを忘れるために全てを捨てて地獄の待つ関西の高校に転校したのに、彼女のことを忘れるどころか思いは極限まで募り、Kさんのことを思いながら死ねれば本望だと思うに至ります。

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人は簡単に死ねない

学校と家の途中にある池の周りを歩きながら、一段と深くなっている場所を探します。ここなら死ねるかなと適当な場所を見つけると、ガードレールを乗り越えて池の護岸のへりに立ち、池の水面を見つめていると、I高でKさんと共に過ごした楽しかった日々が走馬灯のように浮かび、俺が死んだらKさん悲しんでくれるかな?と思いながら、「Kさんさようなら」と言って真冬の池に飛び込もうとしますが、結局、いつまで経っても飛び込めないでいました。水面に浮かぶカモを見ながら「こんなに死ぬ気満々なのに、人は簡単には死ねないんだな」と途方に暮れていました。通行人も不審な目で見るようになっていることに気付いたので、死ぬのを諦めて、一先ず家に帰ることにします。この時の私は、自殺するのにも相当な勇気がいるし、私のような小心者で臆病な人間にはとても自殺なんてできるわけがないと、その時はそう思っていました。

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人は簡単に死ねる

その日の記憶は、男性の怒号から始まります。「・・・・・何しとんのやー!!」という怒声で我に返ると、物凄い勢いで後ろに引っ張られ地面に倒れ込みます。何が起こったのか分からず、地面にへたりこんで呆然としていると、おばさんが来て、「あんた今死ぬとこやったんやで、その人おらんかったら死んでたで」と言われます。その時は、どういうことなのか理解ができませんでした。私を助けてくれた男の人に起き上がらせてもらって道路脇へ行くと、誰かに歳を聞かれたので、「15です」と答えると、周りから「15で死んだらあかんやろ」、「親泣くで」と言う声が聞こえ、おばさんが私の手を握り「自殺なんて、もう二度としたらあかんよ」と涙を流しながら言った時に、「俺、自殺しようとしてたんだ」と心の中で呟いていました。そのおばさんには私と同じ年頃の子供がいて、他人事ではないと言ってきつく説教をされました。その後で、おじいさんが泣きながら「生きとって良かったな、ほんま良かったな」と言って私の手を握ります。私を助けてくれた人にお礼を言うと、「生きてて良かった、ほんま間に合って良かった」と喜んでくれました。誰かに「あんたK高の子やろ」と言われたので、私は咄嗟に「学校には言わないで下さい」と言うと、「言わん言わん。誰にも言わんから、もうこんなことしたらあかんで」と言ってくれたのでホッとしました。「もう二度とこんなことはしません」とみなに固く約束をします。この時、宝塚方面から来た電車が停車すると、T高の制服を来た生徒が降りて来て、私の方をジロジロ見ていましたが、特に気になりませんでした。お世話になった人達に深々と頭を下げてお礼を言い、その場をダッシュで立ち去ります。走りながら、「俺、死ぬとこだったんだな、俺はKさんのことをそこまで好きだったんだな」と思うと自分が誇らしく思えました。それは、彼女への愛を、自身の命をもって証明できたみたいな感じだったんだと思います。その時の私は、自殺未遂をしたとは思えないほど清々しい気分になっていて、それは恐らく、見ず知らずの私のために、多くの人々が涙を流して喜んでくれたり、説教してくれたり、本気で心配してくれたりした事が、とてもうれしかったからだと思います。

この自殺未遂によって、人は簡単に死ねるんだなと思わされました。もし、本当に自殺に成功して死んでいたら、二人の女性を同時に愛してしまった男の末路でした。ただ、この時死なないで良かったと思っています。13歳の従妹が死んでから僅か7カ月足らずで私が15で死んでたら、家族・親族に与える衝撃はかなり大きかったはずです。

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新たな決意

自殺未遂騒動のあった夜、私は、自分が無意識、もしくは、衝動的に自殺しようとしたことに恐怖を感じていました。気づいたら死んでるとか怖すぎだろと思ったからです。しかし、その一方で、俺は本当に死んでもいいくらいKさんのことを愛していたんだなと思うと、こんなに好きなのに彼女と別れなければならない自分の運命を呪っていました。自殺未遂の教訓から、Kさんのことを思って死ぬことばかり考えるのは止めて、前向きに生きようと決意します。先ず、現状打破のために部活に入ろうと考えていた時に、空手同好会の元野球部の先輩のことを思い出し、野球部に入ることを決めます。膝の心配はありましたが、一度は失った命なのだから、やれるところまでやってみようと思っていました。

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