He is every other inch a gentlemanの意味を考察する

Rebecca Westの、”He is every other inch a gentleman.”はどういう意味なのか?He is a gentleman.なら、彼は紳士です。と簡単に訳せますが、every other inchが加わると途端に訳すのが困難になります。今回は、この、every other inchという熟語に焦点を当ててみたいと思います。

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every other inchの意味

先ず、every otherの意味から考察して行きます。

every other 〜の意味

every otherは、一つおきの、他の全ての、という意味で、以下のような使われ方をします。

every other day = 1日おきに、隔日で
every other Sunday = 隔週土曜日に
every other line (row) = 1行おきに
every other week = 隔週で
every other problem = 他の全ての問題

every otherは、every secondで言い換えられる場合があります。

every second day = 1日おきに、隔日で
every second week = 隔週で

every other day = every second day = every two days = 1日おきにと覚えておくといいかもしれません。

every other inchは1インチおきに

every other inchは1インチおきにと訳せるので、He is every other inch a gentleman.は、彼は1インチおきに紳士です。と直訳することができます。1インチおきに紳士であるということは、他の1インチは紳士ではないということになるので、彼は完全には紳士ではない、もしくは、彼は紳士ではあるがはちゃけたところもあると訳すこともできます。実際にどのような意味になるのかネットで検索した結果、このサイト、”What does the quote “He is every other inch a gentleman.” mean?“において以下のように定義されていました。

The phrase ‘every inch’ means in every way; completely
Basically, it is a sophisticated way of saying “He is a gentleman”. The quote you said, may be from the point of view of someone looking for gentleman like quality’s.

フレーズ”every inch”は、あらゆる点で、完全にを意味します。基本的にはその言い回しは、”He is a gentleman”.の洗練された言い方です。質問にある引用は、紳士的な資質を探し求めている人の観点からのものかもしれません。

He is every inch a gentleman.であるならば、彼は完璧な紳士です。という意味になるので、every other inchは、完璧な紳士ではないかもしれないが、紳士であることには間違いない、本当の紳士ではなくても、部分的にでも紳士の資質を有しているのであればOK的な意味ということのようですが、もう1人の回答者は以下のように言っています。

That could have been said the way you wrote it, and in that case it is an insult and means only half of his makeup is gentlemanly.

引用通りなら、それは侮辱であって、彼は半分だけが紳士で他の半分は紳士でも何でもないと言っています。

他の半分は紳士でも何でもないということで、half emptyとも取れる、紳士なところもあればそうでないところもある中途半端な紳士といった意味になるようです。何れにしても、本当の紳士ではないということになります。良い意味で言えば、彼は本当の紳士ではないが一応は紳士ではある。悪い意味で言えば、He is anything but a gentleman. 彼は紳士でも何でもない。というように捉えることもできます。この場合の彼は、実際には男全般を指しています。男には本当の紳士はいない。というのが真意であると思われます。

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レベッカ・ウェストを考察する

レベッカ・ウェストはフェミニストと言われていたので、彼女の前述の名言、”He is every other inch a gentleman.”も頷けます。彼女の他の名言に以下のようなものが存在します。

There is, of course, no reason for the existence of the male sex except that sometimes one needs help with moving the piano.
ピアノを動かすのにたまに助けが必要になることを除けば、男性の存在理由はもちろんありません。
こういう言葉が、彼女がフェミニスト扱いされた理由で、彼女の男に対する考え方は、以下の言葉に集約されていると思われます。
The trouble about man is twofold. He cannot learn truths which are too complicated; he forgets truths which are too simple.
男に関する問題は2つあって、複雑すぎる真実は覚えられず、単純すぎる真実を忘れてしまうことです。
つまり、ウェストによると、男は真実を語れないということです。
Motherhood is the strangest thing, it can be like being one’s own Trojan horse.
母性というのは最も奇妙なもので、自分自身のトロイの木馬のようなものです。

母性が何故トロイの木馬なのか?これは、ウェストと彼女の一人息子アンソニーの確執のことを言っています。お腹の中の子供が成長して自分に対して反旗を翻すことを嘆いているのだと思われます。

アンソニー・ウェストは、H.G. Wells (ハーバート・ジョージ・ウェルズ)との間に儲けられた子供です。アンソニーは父親であるH.G. ウェルズのことは尊敬していたそうなので、そのことも母親としては面白くなかったのかもしれません。
以下の言葉に、彼女の芸術に対する考え方が如実に現れています。
There is no logical reason why the camel of great art should pass through the needle of mob intelligence.
偉大な芸術作品であるラクダが、大衆の知性である針(の目)を通り抜けなくてはならない論理的根拠など存在しません。

これは、聖書Matthew 19:24 (マタイによる福音書19章24節)の以下の有名な一節をもじったものだと思われます。

Again I tell you, it is easier for a camel to go through the eye of a needle than for someone who is rich to enter the kingdom of God.”

まことに、あなたがたにもう一度、告げます。金持ちが神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい。
この聖書の御言葉は、金持ちは天国には行けないと言っています。一方の、ウェストの言葉は、大衆には芸術という高尚なものは理解できないのだから、芸術家は大衆に迎合する必要など微塵もないということを訴えています。その一方で以下のような真逆なことも言っています。
Any authentic work of art must start an argument between the artist and his audience.
真の芸術作品は、芸術家と観衆の間で議論を始めなければなりません。
この言葉の真意は、芸術作品を通して、作者の思いを観衆にぶつけるといった感じだと思われます。以下の彼女の文を読むと、芸術を通して人の心を動かし、それが社会に有益な恩恵を与えることが大切である的なことを言っています。

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